Cloud9 Fabricsを買収した企業 Ocean State Innovations とは?

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Cloud9 Fabrics が OSI の傘下に入る時、CEO のジーナさんから届いたメールは、ブランドが生き残るために必要な難しい決断だったことが分かるものでした。

100年の布、これからの布。
Ocean State Innovations という会社のこと

1913年の創業から Cloud9 Fabrics 買収まで、老舗テキスタイル企業の歩み

Ocean State Innovations(OSI)という名前を、どこかで見かけたことがあるでしょうか。ロードアイランド州に拠点を置くこの会社は、実は1913年に創業した100年以上の歴史を持つテキスタイルメーカー。軍用の生地から、あなたのキルトに使うオーガニック・コットンまでを手がける、少し不思議な存在でもあります。

今回は、この会社がたどってきた道を、時代の流れとともに追いかけてみます。


1913年、衣類の裏地から始まった

OSIの前身となる Brand & Oppenheimer(B&O) が産声を上げたのは、1913年のことです。手がけていたのは「ガーメントライニング」、つまり衣類の裏地。着る人の目には触れないけれど、服の仕立てと着心地を支える、縁の下の素材です。

創業から約100年、B&Oはテキスタイル業界の荒波のなかで生き延び、着実に実績を積み重ねていきました。老舗企業に共通する、静かな底力を持った会社でした。

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2014〜2015年、新しい血が流れ込む

大きな転機が訪れたのは2010年代半ばです。2014年、B&Oは軍事・商業向け高性能テキスタイルを扱う Performance Textiles を買収。そして翌2015年、業界の経験を合計すると100年を超えるというベテラン3名——Ed Ricci、Ben Galpen、Bryan Boulis——からなる 1947 LLC のマネジメントチームが経営パートナーとして加わります。

老舗の土台に、戦略的な推進力が加わった瞬間でした。この体制のもとで、B&Oは「売上の自然な伸び」と「戦略的な買収」の両輪で規模を広げていく方針を打ち出します。

2017〜2020年、買収でポートフォリオを広げる

ここから怒涛の展開が続きます。

2017  Cutting Edge TexStyles 買収

バインディング(縁取り素材)やトリム(装飾用テープ類)を世界規模で供給するメーカー。生地単体だけでなく、縫製に必要な副資材まで自社でカバーできる体制が整いました。

2018  General Fabrics Inc. 買収

キルト生地の設計・卸売を専門とするメーカーを傘下に収め、ホームソーイング・キルト市場への本格参入を果たします。この買収が、後のCloud9との縁を引き寄せる伏線にもなりました。

2019  Allied Bias 買収と、社名の変更

バインディング製品のサプライヤー Allied Bias を買収するとともに、この年に社名を Ocean State Innovations(OSI) へと改めます。「Ocean State」はロードアイランド州の愛称。州の個性と誇りを名前に込めつつ、「Innovation(革新)」という言葉で、これからの時代への姿勢を宣言しました。

2020  ColorWorks 買収

テネシー州エリザベスタンにある染色・仕上げ工場を取得。生地の製造から染色・加工まで、自社で一貫して手がけられる体制が確立されました。

COLUMN

OSIには、ホームソーイング愛好者にはなじみのうすい「もうひとつの顔」があります。米軍の厳格な調達基準「ベリー修正条項(アメリカ国内で生産された繊維製品のみ調達を認める規定)」に対応した米国製テキスタイルの主要サプライヤーとして、迷彩パターン「MultiCam」の国際販売権も保有。医療・産業・自動車分野にも素材を広く供給する、総合テキスタイル企業です。キルト生地とミリタリー生地が同じ会社から生まれている——この振れ幅こそが、OSIという会社のユニークさです。

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2023年、Cloud9 Fabrics との出会い

そして2023年5月、OSIは Cloud9 Fabrics とその姉妹ブランド Felicity Fabrics の買収を発表します。

Cloud9は、Michelle Engel Bencsko と Gina Pantastico のふたりがニューヨークのアパレル業界を離れ、2009年に立ち上げたブランドです。「オーガニック生地は地味」という固定観念を覆すべく、鮮やかなプリントと100%認証済みオーガニック・コットンを掛け合わせ、キルターやソーイング愛好者のあいだで長く愛されてきました。Felicityはその姉妹版として、より伝統的なキルター向けに小ぶりのプリントとベーシックな色使いにまとめたラインです。

「Cloud9 FabricsとP&B Textilesのシナジーによって、OSIはホームソーイング愛好者にとってより重要なリソースになることができる。」


— Ed Odessa(P&B Textiles 社長兼CEO)、OSI プレスリリース, 2023年5月

OSI傘下の P&B Textiles はキルト・ホームソーイング向け生地の卸として長い実績を持ちます。Cloud9が加わることで、コンベンショナルな綿素材からオーガニック・コットンまで、ひとつの会社でカバーできるラインアップが完成しました。

Cloud9のデザイン哲学——アーティストとの協働、倫理的な工場との取引、オーガニックへのこだわり——は、OSIに吸収されたあとも引き継がれています。大きな傘のもとで、小さなブランドの誠実さが守られているかどうか。それはこれからの動向に委ねられている部分もありますが、少なくともブランドとしてのCloud9は現在も独自の歩みを続けています。


布には、会社の歴史が宿っている

1913年に衣類の裏地をつくる会社として生まれ、軍用テキスタイルで実力をつけ、キルト市場へと足を踏み入れ、そして2023年にオーガニック・コットンのブランドを傘下に収めた——Ocean State Innovations のここ100年の歩みを並べると、時代ごとに社会が求める「布」の変化が見えてきます。

Cloud9の生地を手にするとき、その背後にある長い歴史と、ミシェルとジーナが14年かけて育てた誠実な理念の、ふたつの重なりを少し思ってみてください。布は、つくった人たちの時間を纏っています。

jumble shop one では、Cloud9 Fabrics の生地をお取り扱いしています。ぜひ、お気に入りの一枚を見つけてみてください。

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