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CREATIVE MAGAZINE GUIDE
広告ゼロ、一人の情熱から生まれた雑誌
『UPPERCASE』が世界中のクリエイターに愛される理由
カナダ発・季刊誌 UPPERCASE(アッパーケース)の世界をご紹介します
ファブリックや手芸が好きな方なら、一度は「本当に好きなものに囲まれた時間」の豊かさを知っているはずです。インターネットで情報を探すことはできても、紙をめくる手のひらに伝わる質感や、ページの向こうに広がる一つのまとまった世界観は、なかなか画面からは得られません。そんな「手で感じる美しさ」を徹底的に追求した雑誌が、カナダから世界へ届けられています。その名は『UPPERCASE(アッパーケース)』。今回はこの雑誌の魅力と、その独特な世界観をご紹介します。
一人の女性が、カルガリーから世界に届ける季刊誌
カナダ・アルバータ州カルガリーを拠点とする『UPPERCASE』は、2009年に創刊された季刊誌です。デザイン・イラストレーション・タイポグラフィ・クラフト・テキスタイルをテーマに、世界中のクリエイターへインスピレーションを届けてきました。
この雑誌を一人で作り上げているのが、発行人・編集長・デザイナーを兼任するジャニーン・ヴァンゴール(Janine Vangool)さんです。企画・編集・デザイン・顧客対応まで、文字通りすべてを彼女が担う「ワンウーマン・オペレーション」。大手出版社の力を借りず、読者からの購読料と直販だけで成り立つこのモデルは、独立系出版の成功例として世界的にも注目されています。
“I’m Janine, the publisher, editor, designer (and customer service, too!) of this one-woman operation. UPPERCASE creates beautiful and inspiring books for the creative and curious.”
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「広告なし・助成金なし・読者だけが支える」という徹底した姿勢
69号(2026/4-6月)のページには、こんな一文が添えられています。「UPPERCASEは完全に購読者によって支えられています。広告なし、スポンサーコンテンツなし、政府助成金なし。」
どのページをめくっても広告が出てこない体験は、思いのほか解放的です。商業的なノイズを排して、純粋なコンテンツだけに向き合える空間——それが『UPPERCASE』の最大の特徴のひとつ。読者一人ひとりがこの雑誌の存在を直接支えているという実感が、深いコミュニティ意識を生んでいます。
MAGAZINE INFO
最新号:#69(2026年 4〜6月)
1冊 CAD 24.00(約2,600円前後)
年間購読(4冊)CAD 96.00
日本を含むアジア各国へ発送対応あり
ファブリック・手芸好きが特に惹かれる内容とは
デザインや活版印刷の話題が多いイメージを持たれがちですが、テキスタイル・キルト・手芸に関するコンテンツも非常に豊富です。最新号 #69 の表紙はキルト作家・Whitney Crispellさんの作品。自分に課した「1年間、毎週ミニキルトを作る」というチャレンジから生まれた作品たちが誌面を飾っています。
また発行人のジャニーンさん自身がキルト・テキスタイルへの深い愛着を持ち、ファブリックブランドの Windham Fabrics とコラボレーションしてファブリックコレクションのデザインも手がけているほど。手芸・ソーイング・キルトに親しむ読者が共感できるコンテンツが随所に散りばめられています。
雑誌だけじゃない——「Encyclopedia of Inspiration」という名の本シリーズ
UPPERCASEの活動は季刊誌にとどまりません。2016年から続く書籍シリーズ「Encyclopedia of Inspiration(インスピレーションの百科事典)」は、現在13巻を数え、累計5,696ページにのぼります。アルファベット順ではなく「気まぐれな順番」でテーマを選んでいく – そのユニークな姿勢も魅力です。
これまでのテーマ(テキスタイル・手芸関連を中心に)
Feed Sacks(フィードサック) 2016年 — 農家の女性たちが飼料袋の布をドレスやキルトに仕立て直した歴史的な布の物語
Botanica(ボタニカ) 2017年・重版を重ねる人気作 — 植物と花にインスパイアされたアート。448ページ・1000点以上の画像
Stitch•illo(ステッチイロ) 2017年 — 刺繍とイラストレーションの交差点
Quilted(キルテッド) 2019年・2026年重版 — キルトを深掘りした384ページの大作
Yarn-Thread-String 2021年 — 糸にまつわるクラフトと物語
Notions(ノーションズ) 2024年 — ソーイングの道具・小物のAtoZ
Glue(グルー) 2025年 — コラージュのアーティスト46名を特集
特に「Botanica」は初版・重版と繰り返し完売を続けてきたシリーズ最大の人気作。植物や花を愛するファブリック好きにとっては、眺めるだけでインスピレーションの源泉になる一冊です。
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コミュニティとしてのUPPERCASE——読者もまた作り手
UPPERCASEは単なる雑誌ではなく、コミュニティでもあります。毎号、世界中の読者から作品やストーリーを公募して誌面で紹介するスタイルをとっており、読者と発行人の距離は驚くほど近い。Instagramアカウント(@uppercasemag)では88,000人以上のフォロワーが集まり、毎週火曜日に届くジャニーンさんのニュースレターはそれ自体を楽しみにしているファンも多いといいます。
「UPPERCASE Circle」というオンラインコミュニティも設けられており、作品を発表したり、同じ価値観を持つクリエイター仲間とつながることができる場も用意されています。読者が受け取るだけでなく、自分もこの雑誌の世界を一緒に作っているという感覚——それがUPPERCASEを他の雑誌と一線画するものかもしれません。
COMMUNITY
ニュースレターへの登録、作品の投稿(Submissions)、オンラインコミュニティ「UPPERCASE Circle」への参加——いずれも公式サイトから案内されています。気軽に一歩踏み込んでみるのもおすすめです。

「紙の豊かさ」を選ぶということ
デジタルコンテンツが溢れる今の時代に、UPPERCASEがあえて紙の質感・インクの匂い・装丁の美しさにこだわり続けるのは、それが「代替できない体験」だと知っているからでしょう。背表紙に通し番号とパターンがデザインされており、本棚に並べたときの美しさも格別。コレクターズアイテムとしての価値も非常に高い雑誌です。
ファブリックや布地を愛するみなさんなら、きっとUPPERCASEの世界観に深く共鳴するはず。一度手にとってみると、その重さと美しさに、大切に積み重ねてきた布の山と同じような愛おしさを感じるかもしれません。
