海外から見た”和服” – その美しさと驚き –

WAFUKU FROM THE WORLD

世界の目に映る和服とは。
海外メディアと口コミが語る、その美しさと驚き。

外国の人の目には、和服はどんなふうに映っているのでしょう。観光で着物を体験した旅行者の声、ファッションメディアの評論、そしてユネスコも認めた織物の技術まで。世界中から集めた「和服への眼差し」を、ひとつの記事にまとめてみました。

初めて袖を通した日。外国人旅行者の体験談

着物レンタルは今や海外旅行者の「やりたいことリスト」の定番となっています。ヨーロッパやアメリカから訪日した旅行者のブログには、着付け体験に関する驚きと感動の声があふれています。

「着物を着るのに20分もかかるとは思わなかった。何枚ものレイヤー、たたみ方のテクニック、すべてが本当に魅力的でした。着物がこんなにも複雑なものだとは、まったく知りませんでした。」


The Navigatio(ヨーロッパ人旅行者によるブログ)

着付けにかかる時間や手順の多さは、多くの外国人にとって最初の「驚き」です。慣れない足袋と草履に四苦八苦しながらも、着物姿で京都の石畳を歩く体験は「一生の思い出」と語られることが多く、地元の人から褒め言葉をかけてもらえた、という微笑ましいエピソードも散見されます。

NOTE

旅行ガイドサイト Klook によると、現地の日本人は外国人が着物を着ている姿を見て怒ることはなく、むしろ微笑んだり、興味を持って話しかけてくれることの方が多いとのこと。文化への敬意と好奇心を持って着ることが、いい交流につながるようです。

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「着物は着ることのできる芸術だ」——海外メディアの評価

海外の旅行・文化メディアの多くは、着物を単なる「民族衣装」ではなく、着る人の身分・年齢・季節・感情までを語る「物語のある衣」として捉えています。

「着物は日本の国の豊かな歴史と芸術表現を体現しており、何世紀にもわたって受け継がれ、今なお大切にされている衣装です。それは単なる正装にとどまらず、まさにひとつの芸術作品と言えるでしょう。」


GetYourGuide Explorer(旅行体験メディア)

日本旅行の専門メディアが伝えるのは、着物の「記号性」の豊かさです。鶴の柄は長寿と幸福の象徴、梅は春の訪れを表し、既婚・未婚によって着物のスタイルが異なるなど、衣に込められた文化的な意味の奥深さは、外国の方にとって大きな発見となることが多いようです。

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パリ、ロンドン、ニューヨーク。着物が変えた西洋ファッション

和服の影響は、観光体験の域をはるかに超えています。nippon.com に掲載された学芸員の解説によると、アレクサンダー・マックイーン、イヴ・サンローラン、クリストバル・バレンシアガ、そして20世紀初頭のマドレーヌ・ヴィオネやポール・ポワレといった名だたるデザイナーたちが、着物にインスピレーションを受けた作品を発表してきました。

「着物はこれまでに最も多くのデザイナーにインスピレーションを与えてきた伝統衣装のひとつと言っても過言ではない。今日、世界のファッションにおいてその存在感と影響力はかつてないほど大きくなっている。」


nippon.com「着物はいかに世界のファッションに影響を与えたか」

また、カナダの大手紙 The Globe and Mail は、19世紀後半に日本の港が開かれると着物がヨーロッパへと渡り、パリやロンドンのブティックに並ぶようになったと伝えています。1874年にはフランスの批評家フィリップ・ビュルティが「ジャポニスム(Japonisme)」という言葉を生み出したほど、和の美意識は当時の西洋社会を熱狂させました。

「チューニック、着物、ガンドゥーラは、今ほど流行したことはありません。街路でも、家庭でも、午後のパーティーでも。」


— Vogue magazine, September 1920(学術論文より引用)

1920年のヴォーグ誌がパリの女性たちの着物熱を取り上げていたことは、今に至るまで続く長い「縁」の始まりとも言えます。着物の直線的なシルエットは、曲線を強調していた当時の西洋ファッションに対する静かな革命でもあったのです。

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1枚に5ヶ月。ユネスコが認めた和服の職人技

海外から和服が「特別」に映る理由のひとつに、その制作の奥深さがあります。たとえば茨城県結城市に伝わる「結城紬(ゆうきつむぎ)」は、2010年にユネスコ無形文化遺産に登録された、世界が認める絹織物です。

CRAFT DATA

糸を引く工程だけで最大3ヶ月
1反の布を完成させるまでに40以上の工程
複雑な柄では数年かかることも
昔は市場に出回らない不良繭を使用していた
職人は唾液のタンパク質を使い手で繊維をつむぐ
着れば着るほどなじみ、3世代にわたって使えることも

「結城紬は、急いで作られるものではない。時間を競争と混同しがちな現代において、このような布づくりはまるで修道的な営みのようだ。一本一本の糸に宿る、ゆったりとした時間の美しさ。」


The Fashion Globe(国際ファッション文化メディア)

海外の繊維・クラフト系メディアでは、結城紬のような和の布づくりが「サステイナブル・ラグジュアリー(持続可能な贅沢)」の先進例として評価されています。化学薬品を使わない天然染色、廃繭のリサイクル、そして機械では決して再現できない職人の手技——これらはまさに現代のファッション界が追い求めている価値です。また、1907年創業の結城紬の老舗「奥順」の品質は世界的にも認められており、著名ブランドとのコラボレーションにも使用されています。

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「感謝」か「搾取」か——世界的な着物への問い

着物への高い関心は、時に難しい問いも生み出します。2019年、キム・カーダシアンが下着ブランドに「KIMONO」と名付けたことで、国内外で大きな議論が起きました。京都市長が直接書簡を送る事態にまで発展し、その後ブランド名は変更されました。

「着物は、私たちの先人たちが豊かな自然や歴史の中で磨き上げ、丁寧に受け継いできた文化です。その名前は、着物を愛するすべての人類の共有財産であり、独占されるべきものではありません。」


京都市長の書簡より(Cultural Intellectual Property より)

一方で、旅行者として着物を着ること自体は、日本人の多くが温かく歓迎していると言われます。専門家も、「敬意と理解を持った着用は文化の流用ではなく、文化への感謝である」と語っています。旅先で着物をまとい、その美しさや着心地に触れることは、着物という文化への最も誠実な向き合い方かもしれません。


素材から始まる、和服への理解

海外の方が和服に感じる魅力の多くは、「美しさ」と同時に「誠実さ」にあるのではないでしょうか。一枚の布に込められた季節の思い、職人の気の遠くなるような手仕事、そして着る人の人生の節目を寄り添うような存在感——それらすべてが「和服」という言葉に含まれています。

ファブリックを扱うわたしたちも、布の向こうにある文化に思いを馳せながら、毎日仕事をしています。手芸や洋裁を楽しんでいる方にも、和服の美学に込められた意味を少し知っていただくことで、布選びがさらに豊かになるかもしれません。

jumble shop one では、世界中から厳選したファブリックをお届けしています。

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