h+h americas Fall Edition in ヒューストン 2026

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世界的な物価高、円安の影響で海外から輸入する商品を日本で購入するハードルが高くなっています。それでも、毎年新しい商品をチェックするのは楽しいですね。

Quilt Marketの幕が下りた街で、新しい秋の見本市が始まる。h+h americas Fall Edition in ヒューストン

9月30日、アメリカ・テキサス州ヒューストンで、手芸業界向けの新しい秋の見本市「h+h americas Fall Edition」が開幕しました。会期は10月2日までの3日間。ファブリック、毛糸、ソーイング、キルティングなど、手づくりにまつわるメーカーやブランド、ショップオーナー、デザイナーが集まる場です。

この見本市が注目される理由は、新しさだけではありません。ヒューストンは40年以上にわたり、キルト業界の秋の見本市が開かれてきた街でした。その歴史が幕を下ろした直後に、同じ街で始まった新しいショー。開催中の今、その背景と3日間の内容を、海外の情報をもとにたどってみます。


h+h americas Fall Edition とは

主催は、ドイツ発の見本市運営会社ケルンメッセの米国法人Koelnmesse, Inc.。ドイツで開かれる手芸見本市「h+h cologne」の北米版として、2022年に春の「h+h americas」がシカゴ近郊で始まりました。ファブリックとファイバー(毛糸など)の業界をひとつにまとめた見本市で、Craft Industry Allianceの報道によると、出展者と来場者は毎年およそ2割ずつ増え、2026年5月には5,500人超の来場が見込まれていました。

今回の秋の部は、その春のショーに続く「第2の年次マーケット」という位置づけです。そして、いちばんの特徴は「B2B(企業間取引)専用」であること。一般のお客さまが買い物をする場ではなく、仕入れをするショップオーナーやバイヤー、デザイナー、卸業者といった業界関係者のための見本市です。公式サイトによると、目標は出展約290社、来場約2,850人。春の大型ショーと比べると、ぐっとコンパクトに設計されています。

“a curated, streamlined format designed for high-impact meetings”

(厳選された、無駄のない形式で、密度の高い商談のために設計されている)


— Craft Industry Alliance(主催者発表の紹介)

PROFILE

h+h americas Fall Edition 2026
会期:2026年9月30日〜10月2日
会場:Reliant Center(旧NRG Center)、テキサス州ヒューストン
主催:Koelnmesse, Inc./戦略パートナー:Craft Industry Alliance
公式サイト:fall.hh-americas.com

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なぜヒューストンなのか――Quilt Marketのあとに

会場にヒューストンが選ばれたのには、理由があります。2025年12月3日、キルト業界の見本市「International Quilt Market」を運営するQuilts, Inc.が、秋の開催を含めて同見本市を恒久的に終了すると発表しました。1979年に秋のショーとして始まり、アメリカのキルトが「産業」として形づくられていく過程で大きな役割を果たしてきた見本市です。春のQuilt Marketも、2025年10月にすでに終了が発表されていました。

終了の理由として、Quilts, Inc.は、ショップや小売店が取引をする方法が広がり、年2回の見本市への需要が小さくなったことを挙げています。同社は今後、一般向けの催し(秋のInternational Quilt Festivalと、春の新しい生地・毛糸のショー「Quilt! Knit! Stitch!」)に軸足を移しています。

h+h americas Fall Editionの開催発表は、その終了発表のわずか2週間後でした。ヒューストンという開催地は、Craft Industry Allianceが「45年以上続いたキルト業界の見本市の伝統へのオマージュ」と評した通り、業界にとって思い入れの深い街への、いわば「恩返し」の意味合いを持っています。

“ideal for shop owners who need to maximize their time”

(限られた時間を最大限に使いたいショップオーナーにとって理想的)


— h+h americas「Houston, Here We Come」

主催者は、秋を「職人たちがアトリエに戻り、お店がホリデーシーズンの準備に入る季節」と位置づけ、短い日程で効率よく商談と情報収集ができるショーとして打ち出しています。週末の営業に戻れるよう、会期を平日の3日間に絞った設計です。

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3日間のプログラム

公式サイトのスケジュールを見ると、商談の場である展示会場だけでなく、学びの時間がしっかり組み込まれているのが特徴です。初日の水曜日は、会場が開く前の朝から「Fall Forum」と呼ばれるカンファレンスと教育プログラムの日。夕方に展示会場がオープンし、そのままオープニングパーティーへと続きます。

日付 時間 内容
9月30日(水) 8:00〜9:30 Business Lab(ビジネスの学びのセッション。バッジがあれば無料)
9月30日(水) 9:00〜15:30 Fall Forum(クラス、ラウンドテーブル、Product Academy、基調講演)
9月30日(水) 16:00〜19:00 展示会場オープン&ローンチパーティー(ウエスタン・ファッションで参加するのがおすすめ)
9月30日(水) 19:30〜21:00 Sample It(有料チケット制の、現金払い・持ち帰り式ショッピングイベント)
10月1日(木) 10:00〜17:00 展示会場オープン(16:00〜17:00はUniversal Yarn提供のハッピーアワー)
10月2日(金) 10:00〜15:00 展示会場オープン(最終日)

「Sample It」は、見本市の会場で出展社の商品をその場で買って持ち帰れる、夜のショッピングイベントです。卸向けのショーでありながら、手に取って選ぶ楽しさも残してあるところに、手芸業界らしいあたたかさを感じます。テキサスにちなんでパーティーの服装が「ウエスタン」というのも、開催地を楽しむ遊び心ですね。

会場には、1回5ドルのコート・バッグ預かりサービスがあります。収益の半分は、編み物やかぎ針編みで作られたパーツをつなぎ合わせたブランケットを、必要としている人に届ける慈善団体「Warm Up America」に寄付されるそうです。クラフトの見本市らしい、小さな心づかいです。

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出展ブランドの顔ぶれ

開催発表の時点で出展を表明していたのは、ファブリックと毛糸の双方にわたる顔ぶれでした。Craft Industry Allianceの記事から、一部をご紹介します。

ファブリック

Moda Fabrics、Windham Fabrics & Anthology Batiks、Andover Fabrics、Riley Blake Designs、Benartex、P&B Textiles、Cloud9 Fabrics、Shannon Fabrics、Poppie Cotton、そしてイギリスのLewis & Irene。北米のキルティングコットンを代表するブランドが並びます。

毛糸

Universal Yarn、Knitting Fever、Trendsetter Yarns、Koigu。春のh+h americasと同じく、ファブリックと毛糸の両方が同じ屋根の下に集まるのも、このショーの持ち味です。

ミシン・道具

Janome America、Necchi、Oliso(アイロン)、INNOVA(ロングアームキルティングマシン)など。生地や糸だけでなく、作る道具のメーカーも顔をそろえています。

上記は2025年12月時点で出展を表明していた企業の一部で、最新の出展者一覧は公式サイトで公開されています。

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手芸業界の見本市は、いま

Quilt Marketの終了は、特別な出来事ではなく、大きな流れの一部でもあります。Craft Industry Allianceによると、北米の手芸業界では2019年から2025年のあいだに、見本市が6つ姿を消し、新たに生まれたのは2つ。毛糸業界の見本市を運営していたTNNAは2020年に見本市の開催を終え、手芸・画材業界のAFC.I(Association for Creative Industries)はNAMTAと合併して春のCreativationに一本化。ミシン・掃除機の販売店協会であるVDTA/SDTAは2025年8月に活動を終了しています。

オンラインで仕入れや商談ができるようになったいま、「年に何度も、遠くの会場に足を運ぶ」ことの意味は、確かに変わりつつあります。だからこそ、h+h americasが掲げるのは、短い会期に商談と学びと交流を凝縮した「選ばれる場」であること。次回の春の部は、2027年5月5日〜7日にイリノイ州ロズモントで開催予定です(前日の5月4日にカンファレンス)。

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まとめ

ひとつの見本市が終わり、同じ街で別の見本市が始まる。その背景には、手芸業界の商いのかたちそのものの変化がありました。h+h americas Fall Editionは、まだ初開催のショーです。どのような新作が披露され、どんな出会いや商談が生まれたのかは、会期が終わってから、各社やショップの発信を通じて少しずつ見えてくるでしょう。

私たちが普段、SNSやオンラインストアで目にする海外ファブリックの新作も、こうした見本市での商談を経て、日本へ届いています。遠いヒューストンの会場の熱気を想像しながら、次に出会う一枚を選んでみるのも、素敵な楽しみ方かもしれません。

jumble shop oneでは、厳選した海外ファブリックを取り揃えています。

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