UVカット生地とは? – UVカットの仕組みと豆知識

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毎年日差しが強い時期になると紫外線対策の話題が出ますね。日焼け対策の強い味方、UVカットの生地ってどんな仕組みなんだろう。
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日差しが強くなってくると、気になり始めるのがUVケア。日焼け止めはもちろん、着るものや持ち物で紫外線を防ぐ「UVカット生地」も、ここ数年でずいぶん身近になりました。でも、そもそもどんな仕組みで紫外線を防いでいるのか、素材によって何が違うのか、意外と知らないことも多いですよね。今回は、UVカット生地の仕組みから歴史、メーカー事情まで、布好きの視点でじっくり解説します。

CONTENTS

  1. UVカット生地の3つの仕組み
  2. 色と素材による違い
  3. UPFとは?数値の読み方
  4. UVカット生地の歴史
  5. 世界・日本の主要メーカー
  6. 市場の構造:誰が素材を作っているか
  7. 生地を選ぶときのポイント

UVカット生地の3つの仕組み

UVカット生地は「ひとつの特別な加工」で紫外線を防いでいるわけではありません。「遮る」「吸収する」「反射する」という、3つのアプローチを組み合わせることで機能しています。

01 — STRUCTURE

繊維構造で「遮る」

最も基本的な方法です。織り目が細かく詰まっているほど紫外線が通りにくく、厚みのある生地ほど遮断効果が高まります。編み物より織物の方がUVカット性能が高いのも、構造的な隙間の少なさが理由。加工なしで効果を出せるため、洗濯を重ねても性能が落ちにくいのが大きな魅力です。

02 — ABSORPTION

UV吸収剤で「吸収する」

日焼け止めと同じ発想です。生地にUV吸収剤を加工(コーティングや浸透)することで、紫外線を熱エネルギーに変換して無害化します。後加工で付与できるため幅広い素材に使えますが、洗濯を重ねると効果が徐々に薄れる可能性があります。購入前に「洗濯耐久性」の記載を確認してみてください。

03 — REFLECTION

微粒子で「反射・散乱させる」

酸化チタンや酸化亜鉛などの微粒子を繊維に練り込み、紫外線を反射・散乱させます。日焼け止めで言えば「ノンケミカルタイプ(紫外線散乱剤タイプ)」に近い発想。原糸の段階で練り込む方法は効果が長持ちしやすく、高機能素材によく採用されています。

色と素材による違い

「白より黒の方がUVカットに優れている」という話をよく耳にします。確かに傾向としては正しいのですが、素材の密度や加工方法の方が影響が大きいこともあります。色だけで判断するのは少し注意が必要です。

色の影響

色の系統 紫外線への作用 特徴
黒・ネイビーなど濃色 吸収しやすい 遮断率が高い傾向
白・パステルなど淡色 反射するが透過しやすい 素材・加工次第で大きく変わる

素材ごとの特性

素材 UV性能 ポイント
ポリエステル ◎ 高い 素材自体が紫外線を通しにくい
コットン △ 中程度 薄いと透けやすい。密度が大切
ナイロン ▲ やや弱め 後加工で補うことが多い

UPFとは?数値の読み方

UVカット性能を示す指標が UPF(Ultraviolet Protection Factor=紫外線防護係数) です。SPFが日焼け止めの指標であるのに対し、UPFは生地・布のUV遮断力を数値で表します。

UPFとは「素肌で紫外線の影響を受ける時間に対し、UPF30の衣服を着用すると、素肌と同程度の紫外線の影響を受けるのに約30倍の時間を要する(紫外線の影響を受けにくい)」ことを意味する指数です。格付け値は10段階で表され、最高は50+となります。

出典:一般財団法人カケンテストセンター「繊維製品の紫外線遮蔽性(JIS L 1925)」

UPF値 評価 遮断率の目安
UPF 15〜24 基本的な防止効果 約93%以上
UPF 25〜39 良好なUV防護 約96%以上
UPF 40〜50+ 非常に高い防護 約97〜98%以上

日常的な日除けならUPF25以上、アウトドアや医療用途ではUPF40〜50+が目安になります。UPF50+は紫外線の50分の1以下しか透過しないことを意味するため、日差しの強い季節にはとても頼りになる数値です。

UVカット生地の歴史

「UVカット生地を最初に作ったメーカーは?」という問いへの答えは、じつは「1社には絞れない」のが実情です。衣服で日差しを遮るという行為は古くから行われてきましたが、性能を数値化して産業として確立されたのは1990年代のことでした。

転機となったのは、オーストラリア・ニュージーランドでのUPF規格の誕生です。紫外線が特に強く、オゾンホールの影響を受けやすいこの地域では、皮膚がん予防の観点から衣類のUV防護性能を評価する仕組みが整えられました。

UPFはオゾンホールの破壊が進むオーストラリアやニュージーランドで考案された規格で、現在では国際的な基準となっています。SPF(日焼け止めの指標)が1974年にアメリカで制定されたのに対し、UPFは1990年代に、紫外線量の多いオーストラリアとニュージーランドで定められました。

出典:わたしの名医「UPFって何?SPF、PAとの違い、正しいUVカットの方法まで解説!」

この規格が2000年代以降にアメリカ・ヨーロッパへ広まったことで、各国の繊維メーカーが本格参入。日本でも2019年にJIS規格(JIS L 1925)が発行され、UVカット生地の評価基準が統一されました。

NOTE

1992年にアメリカで登場したブランド「Solumbra」は、医療用途レベルのUV防護衣料として開発された初期の実用例として知られています。現在のような大規模市場が生まれる以前から、こうした先駆的な取り組みが業界の礎を作りました。

世界・日本の主要メーカー

UVカット生地の市場は、私たちが知るアパレルブランドよりも、その手前にいる素材・繊維メーカーが主役です。

日本の主要メーカー

日本は高機能繊維素材の分野で世界的に高い評価を受けています。特に合成繊維の領域では、大手3社がUVカット素材の開発をリードしてきました。

東レ

高機能ポリエステル・練り込み技術

帝人

スポーツ・ユニフォーム用途で強み

旭化成

原糸レベルの機能素材開発

海外の主要メーカー

Glen Raven(アメリカ)/ブランド:Sunbrella

屋外用ファブリック(UPF50+)の分野で世界トップクラスの知名度を持ち、サンシェード・アウトドア家具向け生地の代表格として知られています。

オーストラリアのメーカー群

UV対策先進国であり、UPF規格の発祥地でもあります。水着・スポーツウェア向けのUVカット素材で豊富な実績を持ちます。

中国・台湾の量産メーカー

現在の市場シェアではアジアの量産工場が大きな役割を担っています。OEM供給が中心で、コスト競争力と供給力の高さが強みです。

市場の構造:誰が素材を作っているか

UVカット生地のビジネス構造は、一般的なファッション産業と少し異なります。私たちが手にする最終製品はアパレルブランドですが、実際に素材を開発しているのは上流の繊維メーカーです。

原糸メーカー
(東レ・帝人など)
生地生産
(中国・台湾)
アパレル製品
(ブランド品)

生地を選ぶ立場から見ると、「どのブランドか」よりも「どの素材か・どんな加工か」という視点の方が本質に近いといえます。最終ブランドよりも素材メーカーが価値の中心にいる、少し特殊な産業構造です。

生地を選ぶときのポイント

UVカット生地を選ぶ際に確認しておきたい4つのポイントをまとめました。

1

UPF値を確認する

日常使いならUPF25以上、屋外活動・医療用途ならUPF40〜50+を目安に。

2

生地の厚み・密度を見る

薄くて軽い生地は快適ですが、密度が高いものほど遮断効果が安定します。

3

加工方法を確認する

練り込み加工は耐久性が高く、後加工は洗濯で徐々に効果が落ちる場合があります。

4

用途に合った素材を選ぶ

衣類・日傘・屋外用途によって求められる性能が異なります。用途をイメージしながら選ぶのが大切です。

まとめ

UVカット生地は「遮る・吸収する・反射する」という3つの技術の組み合わせで成り立っています。そしてその性能を支えているのは、表舞台には出てこない繊維素材メーカーたちの長年の技術です。

素材の背景を少し知るだけで、生地選びの視点がぐっと広がります。UPF値や加工方法を手がかりに、自分の使い方に合ったUVカット生地を探してみてください。

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