「SEKマーク」の裏側にある団体、繊維評価技術協議会って知っていますか?
タオルや靴下、マスクの表示タグに「SEKマーク」というロゴを見たことはありませんか?抗菌加工や消臭加工がされた繊維製品によく貼られているマークです。実はこのマーク、ある一つの団体が長年かけて基準をつくり、審査してきたものなのです。その名も「一般社団法人 繊維評価技術協議会」。この協議会がどんな役割を担い、どんな活動をしているのかを調べてみました。
繊維評価技術協議会とは、どんな団体?
一般社団法人 繊維評価技術協議会は、繊維製品がどれくらいの品質や機能性を持っているかを調べる技術について、研究や基準づくりを行っている団体です。略称は「JTETC」や「JCFA」と呼ばれることもあります。名前だけを見ると少し堅苦しい印象を受けますが、役割はとてもシンプルです。「この繊維製品は、表示されている効果を本当に持っていますか?」という問いに、客観的な基準で答えを出す仕組みを整えているのです。
もともとは、抗菌防臭加工が施された繊維製品が増えてきたことをきっかけに発足した組織です。当時、「抗菌」や「防臭」といった言葉の使い方や効果の測り方が会社ごとにバラバラで、消費者にとってはどれが本当に効果があるのか分かりにくい状態でした。そこで、表示の言葉づかいや評価方法、安全性の基準を業界全体で統一しようという動きが生まれ、1989年からその成果として「SEKマーク」の認証がスタートしました。
協議会が担っている3つの役割
協議会が行っていることは、大きく分けると3つあります。1つ目は、繊維製品の評価技術そのものについての調査・研究。2つ目は、評価方法や基準の「標準化」、つまり業界内でルールを揃えること。そして3つ目が、実際に基準を満たした製品にマークを与える「製品認証事業」です。この3つ目の活動が、私たちが目にする「SEKマーク」というかたちで表れています。
繊維製品の評価体制の充実と品質向上を通じて、繊維産業の発展と国民生活の向上に寄与することを目的とした団体です。
「SEKマーク」の意味と、認証までの流れ
SEKマークの「SEK」は、「S=清潔」「E=衛生」「K=快適」という3つの言葉の頭文字からきています。抗菌防臭加工や抗ウイルス加工、消臭加工、防汚加工など、機能を持たせた繊維製品が対象です。加工の種類によってマークの色も変わるようになっていて、パッと見ただけでどんな機能を持つ製品なのか分かる工夫がされています。
マークがつくまでのステップ
SEKマークは、協議会が単独で判定しているわけではありません。まず、指定された第三者の試験機関(QTECのような検査機関)が、製品を実際にテストします。抗菌性であれば、黄色ブドウ球菌などの菌を使って、繊維の上でどれくらい増殖が抑えられるかを数値で確認するといった具合です。その試験結果を、今度は協議会が設けている第三者の委員会が審査し、基準をクリアしていればはじめてSEKマークの表示が認められます。
つまり「試験する人」と「審査する人」が分かれているところが、このマークの信頼性を支えているポイントです。メーカー自身の自己申告だけでマークがつくわけではないので、私たちが売り場でこのマークを見かけたときには、複数の目でチェックを通った製品だと考えることができます。
ちなみに、SEKマークの評価基準は国内だけにとどまらず、国際的な標準規格にもなっています。日本発の仕組みが世界にも通用する評価方法として認められているというのは、少しうれしい話ですね。

ファブリック選びと「見えない安心」
生地を選ぶとき、私たちはつい色や柄、手触りといった「見える部分」に目が向きがちです。でも、その生地がどんな加工を経て、どんな基準をクリアしてきたのかという「見えない部分」にも、実はたくさんの工夫と検証が詰まっています。繊維評価技術協議会のような団体が地道に基準を整え、審査を続けてくれているからこそ、私たちは安心して生地や衣類、生活雑貨を手に取ることができるのです。
普段はあまり意識しない仕組みですが、こうした背景を知っておくと、タグに並んだマークの見え方が少し変わってくるかもしれません。次に生地や製品のタグを見るときは、ぜひ小さなマークにも目を留めてみてください。
まとめ
繊維評価技術協議会は、繊維製品の評価技術の研究、基準づくり、そしてSEKマークによる製品認証という3つの役割を通じて、繊維業界の品質を陰から支えてきた団体です。マークひとつの裏側には、試験機関と審査委員会という二重のチェック体制があり、その基準は今や国際的にも通用するものになっています。生地を選ぶ楽しさに、こうした「品質の物語」を少し添えてみるのも、ファブリック好きならではの視点かもしれません。
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